国立国会図書館に来たついでに、なんか正体がつかめないNEC PC-9801互換機について検索してみた。
各URLは国会図書館内の端末でないと中身が読めないものです。
PROSIDE VS2/P-VS2 について
まず80286搭載の互換機「PROSIDE VS2」を検索ワードとして出てきものから・・・
月刊アスキー (ASCII) 1987年9月号の「日経バイト10月号予告」として「創刊3周年記念 総力特集 互換機時代がはじまる」となっており
「PART 2 互換機はこうしてつくられる」
・チップセットとBIOSをめぐる動き
・クローン実現手法: エプソンPC-286, Proside 286/386など
・デュアルモードマシンの姿: マイクロソフトが提唱する日本語版 PC AT規格、プロサイドのPC AT/PC-9801互換機など
・BIOSエミュレーションの限界:シャープMZ-2861
・アドオンボードで互換性はかるワークステーション
となっている。
しかし、日経バイトは 国立国会図書館では貸し出しを受けないとダメなやつだった・・・
次の 月刊アスキー (ASCII) 1987年10月号 に「EXPRESS 緊急レポート 明らかになったIBM PC/ATコンパチ日本語仕様 松下.FMR互換パソコン」とあったので見てみると、その手前に興味深いものがいくつかあった
まず シャープMZ-2861広告 があり「エミュレーションソフトV2.0上で動作するPC-98UV2アプリケーション」として、一太郎2.1、MIFES-98、RED++、Multiplan、上海など23本が動作確認としてあげられていた
横河ヒューレットパッカードのVectra-D広告 で「日本語モード(日本語MS-DOS 3.1)と英語モード(PC/ATコンパチブル)の相互切り替えが可能」とうたっているものの日本語MS-DOS3.1側ってなんだったのかがよく分からない。次にくるニュースがAXが新登場するものなので、AX以前の独自仕様だと思われるが・・・
で、「ASCII EXPRESS IBM PC/ATコンパチの統一日本語仕様AXが固まる 来春にも各社から発売か」というのが、緊急レポートの内容だった。
で、後段の「松下.FMR互換パソコン」はなんだったのかというと「松下がFMR 50相当/FMR 60相当マシンを販売する」って話だった(あと富士通からは80386搭載のFMR新製品が出ると)
ヘッドラインには「PCEngineが10月下旬から発売され本年度80万台を生産」という話ものっていた
「月刊アスキー(ASCII) 1987年11月号」に「プロサイド P-VS2」として貴重なカラー写真が掲載されている。
「インターフェース 1987年11月号」のプロサイドの広告で「i80286 386新世代パソコン PROSIDE VS2 IBM-AT PC9801用互換機」が掲載されている。
この広告にはマザーボードの写真が掲載されているが、これがVS2用なのが、汎用PC/AT用なのかは不明
「月刊アスキー(ASCII) 1987年12月号」にHORIGO/堀剛コンピューターサービスという業平にある会社の広告として「PROSIDE VS2(P-VS2)」が掲載されている。
次世代機とよぶにふさわしい!! PC-9801互換機IBM/AT PROSIDE VS2
とのこと
AST DualStation 386SX/16
つづいて「ast dualstation」を検索・・・
「ASAHIパソコン 1991年1/1,15合併号」の「プロサイドの広告」に
日米の豊富なソフトウェアアプリケーションプログラムが使える AST DualStation 386SX/16
PC98(RS21)/PCAT両互換機
NEC/AT Dual互換機にAX機能をつけると全日本互換機チャンピオン!!
プロサイドはいつも新鮮!!
・ハードディスクをPC-98用、IBM PC/AT用に分けて使用!
・キーボード操作で98もd-お、ATモードに変換!
・VGAピギーパックアダプタ(オプション)を使用するとマルチシンクモニターと1本にケーブルで接続可能
・JEGA日本語AXグラフィックアダプタを入れるとAXとしても使用可能(ATバージョンはEGAで使用可能)
・98バスマウス、AT用シリアルマウス使用可能
・プリンタは98用NEC PC-PR系、NM系、EPSON使用可能
・キーボードは 98用標準装備、101/AXキーボードオプション
という記載があった。
ファクトリ・オートメーション 9(1)(93) には「ASTリサーチ、デュアルモードPC DualStation386 SX/16の販売代理店を発表」という記事があり、スワイヤトランステック、 大倉商事、プロサイドの3社の販売代理店を通じて発売する、ということが記載されている。
インターフェース = Interface : コンピュータ・サイエンス&テクノロジ専門誌 17(1)(164) に「AST DualStation 386 SX/16のカラー広告」、「T-ZONEの販売商品にDualStation」と広告掲載が2つあったうえで「発売のお知らせ」も掲載されている
1991年5月の ASCII 15(3)(165) に3ページのカラー記事として「PC-9801とIBM PCが合体 DualStation 386SX/16」が掲載されている。
これについてはDairy of windというサイトの「昔のPC雑誌を読む 月刊アスキー91/03よりAST DualStation」という記事で3ページあるうちの最初の2ページについては転載されている。
3ページ目にはIBM DOS J4.0/Vの提供が開始されたあとであるため、DOS/V機としても使えるようになってるということも記述されていた。
1991年9月のインターフェース = Interface : コンピュータ・サイエンス&テクノロジ専門誌 17(9)(172) の「プロサイド広告」に
IBM PC/AT互換機で98ソフトを! DOS/V動作可 PC98(RS21) PC/ATダブル互換機 AST Dualstation 386SX/16 特別セール 限定20台! 早い者勝ち
という広告があったのが最後の掲載である模様
TOMCAT PC-3/X
一番謎に包まれているTOMCAT PC-3/X
どうもPROSIDE VS2やAST DualStationで使われてる技術っぽいのが、TOMCATの技術らしい
とりあえず「TOMCAT PC-3/X」で検索
飛行機のTOMCATの中に2つほどあったが、互換回路を作るための技術の方しか記事が見つからなかった・・・
1988年8月 ASCII 12(8)(134) に「トムキャット VSLチップセットを開発」という記事があった。
トムキャットコンピュータは 川崎製鉄と共同で パーソナルコンピュータ互換機用回路「VSL(仮想システム論理)回路」のLSI化を完了し、チップセット「TOMCAT」として発売した。同チップセットは、システム回路3個、ディスプレイ回路3個の合計6個のLSIで構成されており、これを使うことでPC/AT、PC-9800シリーズ、J-3100シリーズと互換性をとることが可能となる。80286/80386の4~20MHzのクロック周波数レンジでの使用が可能。サンプル価格は1セット5万円。
1988年8月 インターフェース = Interface : コンピュータ・サイエンス&テクノロジ専門誌 14(8)(135) に「パソコン互換機用チップセット」
パソコン互換機用チップセット
トムキャットコンピュータは川崎製鉄と共同で開発したパソコン互換機用チップセットTOMCATを共同で販売を開始すると発表した。
これはトムキャットが開発した仮想システム論理回路を用いており、パソコンのシステム回路を構成するアドレス、I/O、割込み、DMAなどの配置をプログラマブルにしている。
これにより IBM PC/AT、PC-9801、J-3100などの各社のパソコン(80286/80386搭載のもの)と互換性のあるパソコンを製作することができる。システム回路用3個とディスプレイ用3個の計6個からなる。
【サンプル価格】5万円/セット
ここから下は次の国会図書館訪問で内容を確認するところ
とりあえず検索結果を見ただけの記述
帰ってから思いついたのだが、「トムキャットコンピュータ」で検索すれば他にもあったんだろうか?と試してみたら、いろいろでてきた・・・
1988年4月 ASCII 12(4)(130)
「的な技術提供元であるトムキャットコンピュータ(株)からもPC/3として発売されることがアナウン」という要約が見えるのでなかなか怪しい
1988年7月 Newton = ニュートン : graphic science magazine 8(8)
なんかいろいろ書かれている雰囲気
1989年2月 ASCII 13(2)(140)
「洋MBC-17JF·トムキャットコンピュータPC/3·ソニーPDD-150·プロサイドP-VS2·スーパータブロ」という要約内容からすると、プロサイドの広告っぽい雰囲気が・・・
1990年6月 インターフェース = Interface : コンピュータ・サイエンス&テクノロジ専門誌 16(6)(157)
「X」を,BIOSにはトムキャット·コンピュータ製の「TOMCATBIOS」を採用. OEM で拡販をはかる.(各」という要約が気になる・・・
1998年7月 ASCII 22(7)(253)
「ple) PC/3(トムキャットコンピュータ)の互換を実現したマルチ互換機。換用)と80386(AT互換用)を」という要約があるので、このことだと思うんだけど、なんで1998年の雑誌に??